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「あ…、」 「んぁ…?」 幸也(ユキナリ)の小さな呟きに俺はサンドイッチを口に咥えながら顔を向ける。 「マサ、危な…」 ―――――ドゴッ! 幸也の言葉の途中に、とてつもなく鈍い音が俺の後頭部から放たれた。 ドゴッて何っ? つか、何事っ? つかつか、マジ……痛い…。 口から飛んで行ったサンドイッチと俺の後ろで弾むサッカーボール、表情を変える事無く弁当を食らう幸也………さて、俺が最初に取る行動はどれが正しいのか。 取り敢えず、弾むボールを引っ掴み黙々弁当食ってる幸也へ向かって投げつける。 因みに超至近距離からだ。 「マサ、当たったら痛い……だろ?」 箸を口に咥えながら顔面の直前で掌で受け止めた幸也は、無表情のまま俺に向かって諭す様に呟いた。 ムキーッ!受け止めやがったっ! マジで、バリバリムカつくわっ! 俺はその痛いボールを後頭部に受け止めてんだっ! 悔しさの余り地団駄を踏んでる俺をシカトして後ろから走り寄るボールの持ち主に向かってポンと投げてやる。 「早く食わないと昼休み終わる…」 拳を握り締めながら立っている俺のシャツをツンツンと引っ張りながら首を傾げジッと見詰める幸也を見てるうちに段々……………………どうでも良くなって来た…。 そうだ、コイツは昔っからこういうヤツだったんだ…。 ボケッとしてて鈍い割りには何故か運動神経が良くて、無表情なクセに目は物凄い物事を伝えて来る。 長い溜め息をつき、取り敢えず俺は目に余る幸也の咥え箸を引っ掴んで取り上げた。 「危ねぇって何回も言ってんだろ?」 フンっと鼻を鳴らしながら再び幸也の隣りに座り、飛んでったサンドイッチに手を伸して拾うと袋に捨てる。 「あーぁ…、俺のサンドイッチが…」 「マサ、あーん…」 幸也の言葉に素直に口を開けると、綺麗な箸遣いで俺の口に大好きな唐揚げが放り込まれた。 「マサ、好きでしょ?」 モグモグと噛みながら俺はニッコリ笑って頷く。 そんな俺を幸也はジッと見ていた。 物凄く嬉しそうな目をしながら。 でも、周りのヤツ等に言わせたらいつも通りの無表情らしい……。 イコイコと頭を撫でてやると更に嬉しそうに目が細まる。 「付いてるよ…」 言葉と共に口端に柔らかい感触。 ソレが幸也の舌だと分ると顔が一気に赤くなる。 「幸也ぃーっ!」 普段は鈍いクセに、こんな時だけ…………素早いんだ。 -end-
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