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あらすじ
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俺の好きなあいつの瞳は、ハチミツみたいな甘い色をしている。 ミルクティーみたいな髪の色も、女の子みたいにスベスベの白い肌も、薄くて形のいいピンク色の唇も、俺の好みだけ集めて創られた人形みたいで、時々ほんとうに存在しているのか不思議な気持ちになる。 はじめてあいつを見つけた時は、夢でも見てるんじゃないかって思ったくらいだ。 だって、私服だったら完璧に女の子と思い込んだだろうあいつがその時着ていたのは、隣町の有名な高校の男子用ブレザーだったんだ。 洗練されたデザインの制服に身を包み、キリッとネクタイを締めるあいつの綺麗さは、他校の女子生徒から、王子様だの呼ばれていたくらいだ。 俺はずっと、日本人じゃないとまで思ってた。 どんな声をしているのか、笑ったらどんな顔をするのか、どんな風に俺を見るのか、あいつを見るたびに俺は妄想に囚われた。 「あ…しゅうっ…ゃ…っん…そこぉ」 「なんだ、ここがイイのか?ほら…」 「あぁん!すご…イイの!気持ち…イイのぉ」 なんて下ネタ爆発だった。 見るからに加虐心を煽る顔つきだったし、とにかくドストライク過ぎて、あいつの声を聞くまでは完全に俺の中で、あいつという偶像が出来上がってしまっていた。 まぁ実際はそんなもの、単なる妄想でしかないのもわかってたけど。 だから、あいつがあいつだと気づいた瞬間、俺は運命ってやつを信じかけた。 「……う……しゅう?」 「え?わるい、なんか云ったか?」 「なんだよボウっとして、腹でも下したのか」 これな。 実際の王子様はそんなに甘くはなかったのだ。 可愛く俺に甘えてくれる、そんな時はきっとこないけど。 でも俺は、いつだって俺だけに甘えて欲しい。 そう妄想している。 「ぁあっ…しゅう…好き!好きぃ!」 「俺も…好きだよっ…あつき」 「ふぁああっ…イク、イっちゃうう!」 おしまい
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