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その頃、金沢の閑静な住宅街では、『もも』と名乗り地下室に通う乙女、瑠璃が携帯電話のディスプレイを凝視し、何度も何度もページ更新をクリックしていた。 わざわざ私の自己紹介に返事をくれた『TAXi』とは何者か。香林坊に現れるとはどういうことか。果たして、どんな人だろう。TAXiってどんな人なんだろう。 間もなく彼女はTAXiがスレッドを立てていることを知った。 映画スレと詩スレ、冒頭に名を連ねているのはこのふたつだ。 彼女はTAXiの人となりを知るべく、スレッドの扉を開いた。 映画スレは、長文がずらずらと並ぶ酷く読みづらいスレッドだった。 TAXiが観た映画について感想が述べられているだけの面白味の薄い書き込み。 どの作品も、どの俳優も、彼女は全く知らなかった。 どれだけ懇切丁寧に書かれていても、知らないものには興味が湧かない。 ただひたすら画面の文字を追った瑠璃は、軽い疲労感と共にスレを後にした。 一方の詩スレは色々な人が書き込みをしていて(映画スレよりは、だが)盛り上がっているようだった。 相変わらずTAXiの書き込みは長く、読みづらい言葉の連続であったが、改行や文節が多く取ってある為、比較的見易かった。 この人は、自分の世界を持っている人だなぁ。 瑠璃は理屈だらけの言葉の向こう側に、ほのかな好感を抱きながら、TAXiの詩を眺めていた。
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