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俺はニート。毎日マンガ見てエロゲやってオナって寝てる。実はこの生活にはとっくに飽き飽きしてるが、抜け出したくても抜けられない。 最後に人と会話したのはいつだっけ?職探してもどうせ続かないしまぁいいやとか思ってたが、最近2ちゃんしてると目・肩・腰が痛くなる。 何となく歳のせいだと思うけど自分の歳が分からない。朝と夕方の区別がつかない。だからどうした。こわいのは、ジャンジャン色々なことを忘れていくこと。 たまに後ろを振り返っても見えるのは時間の残骸だけ。何もしなくてもやっぱり体だけは順調に老いていくんだな。このまま定職につくこともなく、 汚部屋から出ることもなく従って友達も彼女もできない、そんな状態で時間に殺されるのをただ待つだけなんだろうか。考えるだけで耐え難い。 てなわけで、しばらく留守にします。念のため、「探さないでください」と書き置きを残した。 株でもうけた僅かな金で船を買い、海に出る。最高の死に場所で壮大な死を遂げる、それが一世一代の夢になった。広い世界をくまなく巡ろう。 そうこうしてるうちに、言葉なんか知らなくても人と話ができるようになった。どこの港についてもまずは酒場に寄って、バカみたいに酒を呑んだ。 酔って騒いで夢を語って女を抱いては泥のように眠る。いつしか同調してくれる仲間ができ、余分なことに割く時間が減っていった。これで集中できる。 そしてついに辿り着いた。夢にまで見た安息の地。それは小さな小さな島だった。面白いものなど何もない。あるのは時間と重力、波の音だけ。 俺の死に場所はここだ。そう直感した俺は、さほど大きくないバッグからこの日のために念入りに選んだロープを取り出し、死ぬ準備を整える。 選んだのは少し間怠い手法だったが、長い時間の果てに目を据え、その時をひたすら待つというのも面白いと思った。今にも死のうという 瞬間がまさかこんなに輝かしいものになろうとは。俺は生まれて初めて神に祈った。今まで旅を助けてくれた仲間達、まずいツマミ作ってくれた酒場のオヤジ、 嫌な顔ひとつせず長い与太話に付き合ってくれた名前も知らない女、俺を生み女手ひとつで育ててくれたカアチャン――みんなに、感謝の気持ちが届きますように。 旅に出てからというもの、全てが穏やかで、驚くほど順調だった。その時までは…
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