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厄日だ。絶対そうだ、そうに違いない。 眞魔国第27代魔王陛下である渋谷有利は、心の中でそうつぶやいた。人はそれを一般的には現実逃避というのだが、彼はそのことにまったく気付いていない。それまでおとなしくじっとしていた有利は、堪忍袋の緒が切れたのか、勢いよく立ちあがって一発怒号を張り上げた。 「いいかげんにしろーーーっ!!」 今から4日ほど前、有利はここ眞魔国へと帰還した。いろいろあって地球へと帰ったはずの自分が、実はもう自分の魔力だけでこっちとあっちを行き来できるようになっていたと知ったのはついこの間の事。全てのいきさつを話せば長くなるので、ここでははしょることにする。 話を戻そう。そんなご帰還されてまだ日の浅いわれらが魔王陛下がなぜああしてぶ千切れてしまったのか。その原因はずばり。 「どうしたんですか?あ。もしかして、久しぶりすぎててれました??」 この飄々としたさわやか好青年。名を、ウェラー卿コンラート。彼は今、魔王陛下の自室の天蓋付きベットに腰掛けている。 「ななな名に言ってんだアンターーー!!」 怒り心頭で怒鳴ったはずの魔王は、そんな彼の発言に真っ赤になって言い返した。 「も、もとはといえば、部屋に来るなりいきなり押し倒してきたあんたが悪いんだろ!?」 「じゃあ了解とればいいの?」 さらりと言い返すコンラート。有利は口をパクパクとさせた。 ここに来て何をいまさらと思われるかもしれないが、有利とコンラートは恋人同士だ。 「そういうことじゃなくて・・・っ。扉開けたとたんに狼よろしく飛び掛ってくるのはどうよって言ってるの!!」 顔を真っ赤にさせて有利は言う。そう。夜に部屋へ行きますとコンラートに昼いわれていた有利は、確かにそうゆうことだと自覚して、ベットの上で待っていた 。しかしいざ訪れた恋人は、有利が部屋に招いたとたんにその体を抱き寄せて、挨拶も何もなしにベットへと押し倒したのだ。 「そりゃあ久しぶりですもん。あいさつなんてしている暇があったら一刻も早く有利の可愛い鳴き声を・・・」 「わあああ!!?たんまたんまたんまーーー!!真面目な顔して何恥ずかしいことを口走ってるんだ!!」 ぶんぶんと両手を振りたくって、コンラートのぶっ飛んだ発言に待ったをかける。コンラートは小さくため息をつくと、パニックになっている有利をそっと抱きしめた。 「・・・おれは、せっかく二人きりなんだから話したかったの・・・っ。コンラートとし・・したくないわけじゃないけど・・・わかるだろ・・・・?」 上目使いで見上げると、コンラートは苦笑をもらした 。 「わかるけど・・・でも」 一瞬。有利の視界が暗くなる。そのままコンラートは唇を深く合わせ、有利の体をベットに押し付けた。 こいつ、俺の言いたいことちっとも判ってない!!そう頭の中で毒付く有利だが、ぬるりと唇をわって入ってくる舌を感じたとたん、何も判らなくなってしまう。 「・・・っう・・・はぁ・・ふ」 端から漏れる甘い声に促されるように、口内をまさぐる舌は激しさを増す。 ゆっくりと歯列をなぞり、有利の舌に自身のそれを絡ませて強く吸う。 「ひぅ!・・・ふぁ・・ん・・・」 びくびくと跳ねる体の反応にうっとりとしながら、コンラートはさらに深く口付けた。 快感に酔ってくったりとしたのを確認すると、コンラートはようやく有利の唇を開放した。はあはあと荒く息をつく有利の頬に愛しげに手を這わせる。 「こ・・・んら・・ぁ・・・?」 「こんなに愛しいあなたを前にして、おれが平気でいられるはずが無いって事も判って欲しいな」 そういって、有利のまとう学ランを手際よく脱がしていく。 「お預け食らっちゃいましたからね。今日はもう、余裕ないから」 コンラートはさわやかな笑顔でそう言うと、今度は触れるだけのキスを落とした。 「今晩は、寝かせないから」 ぼんやりとした頭で、有利はそんなコンラートのせりふを聞く。 (やっぱり今日は、厄日だ) そう心の中でつぶやくと同時に、背筋を駆け抜けた快感に有利は思わず甲高い声で鳴いてしまった。 後日談 次の日。腰を押さえながら昼頃に起床した魔王陛下は それから一週間、コンラートと口を利かなかったそうな。 眞魔国は、今日も平和です。
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