メッセージの編集
お名前
メールアドレス
※変更する場合のみ入力
ホームページ
本文
少しばかり暴走気味ですので、簡潔を心掛けながら続けさせていただきます。 「終息」藤本哲明 (審査員特別賞/推挙・広田修) この作者は、作品発表媒体をインターネットよりも商業誌投稿欄等で御活動なされている方ですね。読み手たる私個人にとっては何処で読もうと詩は詩ですけれども、傾向として紙媒体での活動を主となされている方々に(ある程度)特有の、テキストに無駄な装飾を施すことを是としない、或いは、必要以上に読者に媚びない、その真摯さ故に、(特に詩に馴染みの浅い読み手の)初読では些か近寄り難い印象を与えかねない空気が本作にも漂います(それの良否が問題なのではありませんし、逆に、殆どわけの解らない装飾が好きな作者も少なくないと承知してはおりますが)。 死に至ったのちの経緯を経て最終連で余韻を揺らせながらも再びその結果である初連へと遡上することになる、いわば絡まったメビウス然とした構造。手法としては幾分常套的ではあるかもしれませんけれども、さして長くもないテキストであるにもかかわらず、その経緯をスムーズに辿れない、もどかしさの仕組みが興味深い作品です。ここにある、(詩に慣れない)読み手が、届きそうで届かない感じ、これをもう少しだけ親切に導いていてくだされば、と惜しまれました。このもやもやとした焦れったさは、つまり、作品の奥行きに向かう扉でもあるわけですけれども、それを開ける開けない以前に、そこに扉があると気付かないであろう読み手の方が多数を占めるのではないかな、と推測されますから。 >ギシャリ というオノマトペ、当初はテキストに馴染みきれていない奇妙に浮いた感じがあるかもしれませんが、再読を重ねると意外なほどに座りのよい擬音であることに気付く筈です。作者の意図や思惑は存じませんが、私は、「少なくとも濁音から始まる擬音であり尚且つ幽霊のような足音であってはならなかった」という縛りからの選択肢を考えた場合に、「ギシャリ」とは悪くないチョイスだと思いましたね(後出しジャンケン的に言うべきではないのかもしれませんが)。 また、蛸のくだりを挙げるまでもなく、そこここに詩情を立ち上げる記述が散見されます。が、しかし、それらが果たして読み手に咀嚼されて感銘を与え得るには、少しばかり無理があるといいますか遠いのではないでしょうか。書き込まれている内実が外観によって阻害されている、所謂「難しい詩」として最後まで読まれることなく棄てられかねない懸念を感じました(あくまで、私は、ですけれども)。そして、それは作者の本意でもない筈でしょうから。 本作に限りませんし、詩に限らないですが、「とりあえず全部読んでもらわないと話にもならない」わけですアタリマエですけど。そこのところで、あと少しの工夫が欲しかったな、と。 あとは、 >蛾の死んだのが この表記がベストなのか、どうか(やや醒めました。導入部近くなので、読み手によっては作品の致命傷になりかねないかもしれません)。 >言張り おそらくは投稿慣れしているであろう作者の誤字であるとは考えにくいので、何らかの効果を狙ったものか、或いは私の無学故であるかもしれませんが、戸惑いと躊躇いで、ここでも醒めてしまいました。パロールとしてもこの箇所に置かれるには相応しくない印象もあります。 二箇所も醒めると厳しいです個人的には。ですので、私は、一次選考には残せませんでした、申し訳ありません。 しかし、こうした「作り込まれた作品」は、けして嫌いではありませんし、どちらかといいますと、「需要」よりも「供給」の方が勝っているのではないかな、というのが実感です。ただ、文学的に硬派な薫りのする筆は、なかなか魅力的です。願わくば、ある一定の時期を経た「書ける」男性詩人が陥りがちなマニアックな方向には進んでいただきたくないな、と強く感じた次第です。 審査員特別賞受賞、おめでとうございました。 追記。 あまり「簡潔」になってませんね…。 項垂れつつ、続きます。
設定パスワード
画像ファイル
編集する
削除する
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove