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あまり「簡潔」になりませんね…。少しばかり駆け足で参ります。 「蟻」淡島 これは香瀬さんとは逆に、とても短いテキストで、短いならではの「足りなさ加減」が、個人的な嗜好とも巧く重なった小品です。 即興なのか、それとも削り過ぎた経過(結果、というよりは、経過である印象を受けました)なのか、わかりませんが、着地してないのに飛んでいるような奇妙な味わいは、(構造としての「なっちゃいない感」を無効にしかねない程度には)捨て難いものがあると思います。 足りない、のではなく、足りな過ぎるが故に、または、その素っ気ない不親切さにこそ導かれて、読み手は(少なくとも私は)再読を進んで重ねざるを得ない、そこが興味深かった。「足りている」ことが必ずしも素晴らしい詩の条件ではなくて、「書かれなかったこと」や「書かれていたもの」を補完する、しようとする能動的な楽しみを教えてもくれるユニークな作品ですかね。短い記述にもかかわらず、それなりの質量に対する語られていない(または隠されている)ものが何なのかを照らそうとする謎があることにより、知的好奇心が刺激されるように周到に計算をされていないとは思われますが。 演歌的に濡れてはいないけれども、「ニッポン的なさみしさとおかしみ」を少し抱えて、しかしながら、それらが「重くない」ところにも惹かれます。 説明過剰なテキストに食傷気味な個人的読者環境も作用したかもしれないにせよ、忘れがたい空気のある作品でしょうか。所謂「評価」は為されにくい、これまた報われにくい作品でもありますし、ある程度は「読み手を選ぶ」作品とも呼べるかもしれませんけれども、私は、読んで、そして読み返して、楽しかった。 ただ消費されていくだけの詩文には無い、微かではありますが浮力、これは同じ作者の筆による応募作品「国道沿い」にも感じましたけれども、比較的好きな本作を一次審査に残させていただいた次第です。 この作者の詩集は、きっとビックリするくらい売れないとは推測されますが、欲しいですね。実に「くだらない」、でも「すごく楽しい」、そんな詩集になるのではないでしょうか。 応募作品に限っては、「脱力の詩人」なる称号を恭しく授与さしあげたく存じます(いや、御迷惑であるとは承知ですが)。 なお、この作者は(名義こそ違えど)文学極道の常連投稿者でもあります。どうか、息の長い活動を、と望みつつ。 御応募、ありがとうございました。
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