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街のあちこちで 冬仕度がはじまる 庭先の植木が きれいさっぱり 整えられ 空き地の草は モーター音とともに 刈り取られていく 暖かな午後 鮮かな彩りのパンジーや トリコロールカラーの葉ぼたんを 植え込む人がいる 風の冷たい夜 街路樹に着せられた イルミネーションに 精いっぱい 背筋を伸ばし 街の色とリズムを すくって歩く 牝猫が脱走した晩は この秋一番の寒気 息を弾ませ ジグザグすり抜け 縦横無尽に逃げる 草を刈られた丘に上り 全力疾走で跳ぶ とても気持ち良さそうに 軽やかに 力強く むきだしの土を 蹴り上げていく ふり向いた猫は 目を丸くして さも得たり顔 日頃の鍛練の成果を確信して 嬉しそうに駆け抜ける 朝に晩に 階段を駆け回った猫たちは ショーシャンクの空を 目指していたのか スピードとジャンプ力 しなやかな野性に 嫉妬とあきらめを被せ わたしはただ見守り 静かに応援し始めた 臆病な牡猫が 心配そうにわたしを見上げ 鳴いて訴え続けている 大丈夫だよ 疲れたら帰って来るよ くぐもった空の下 足元の猫を抱き 風を斬って駆け回る牝猫の姿を そっと追い続けた ユーミンのダウンタウン・ボーイを 同じフレーズばかり 口ずさみながら 勝ち気な牝猫といっしょに 臆病な牡猫といっしょに わたしも丘を駆けていた (’08年11月テーマ詩“かける”未投稿作)
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