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<font size="1">アマンダ・グレナデン</font> 向かって右側の ひたいからまぶたにかけて 光沢を帯びた柘榴の果肉色が ざっくりと開いていた ガーネットというより ルビー色の縦筋は 鮮やかな爪の形に 深く切れ込み 長くくっきりとした傷口をかたどっていた ルビー色の直線を 指先でたどり 閉じ合わせたい衝動に駆られ 辛うじて 果皮の部分に ゆるやかに触れる と、 瞳を閉じ ごろごろと 咽喉を震わせ ニャアと かぼそい声を出した 前肢をそろえ 静かに座ったまま 次に続く愛撫を待つ、アマンダ・グレナデン 閉じた瞳に 震える咽喉に カーテン越しの陽光 白く揺れて 隣りのベッドで眠る猫は ひたいの傷も癒え くうくうと寝息を立てている 数日前の傷跡も その犯人もおぼろに 柘榴の果肉色を 透明な粒立ちを わたしの内奥に 記憶の細胞として残したにすぎなかった 指先の肉球を そっと つまみ 使いづらい猫用爪切りの 刃先に集中して すばやく 爪先をカットし始める (月間テーマ詩“爪”未投稿作)
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