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辺りはとうに日が沈んで暗闇である。 出しなに提灯に明かりをもらい、彦八は急ぎ足でボロ屋へと向かう。 帰りを急ぐ用事はない。家人は彦八が泊まって来るものと思っているだろう。 彦八もそのように振る舞っていたし、そう思わせることが狙いであった。 提灯の明かり一つで山道を歩き詰め、深夜にはボロ屋の近くまでたどり着く。 昼間であれば桃太郎が捨てられていた桃の木が見えはじめ、その一段上にボロ屋に続く小道が見える位置になる。 ここからは彦八は気配を絶って物音さえ殺して歩んでいく。 虫も鳴かず風も動かぬ静かな夜。 彦八が庭先まで近付くと、灯の無いボロ屋は一見寝静まって見えた。 「や?」 ところが、縁側の障子が音もなく開くと人らしき人影が忍び出て、障子を慎重に閉じるとボロ屋の裏手の茂みにに入り込む。 「む!」 続いて土間の入口が開くと、また人影が忍び出て裏手へと向かう。 (どこへ向かうのじゃ?) 気づかれぬように彦八は人影達をつける。 ボロ屋を離れた人影は安心したのか、足音も枝葉を揺らす音も気にせずに進み、鍛練場から少し離れた切り立った斜面へと向かっていた。
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