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向かい合わせになってもお竹に動揺の色はない。 拒むこともしないが引き込むこともしない。 (これはすでに……) 二人は家族という関係を越えていたのでは、と彦八に思わせる。 「おたけ」 囁く桃太郎の口元を指でさえぎり、お竹はぐるりと視線で桃太郎を舐めた。 数瞬前と打って変わって、いざない、導き、引きずり込むような妖しい表情。しかしすでに抑制の利かない雌の顔になって求め、すぐに桃太郎を待つ純真な微笑へと顔相を変えた。 一方の桃太郎は態勢を変えることなくお竹を凝視しているが、その腕は震えはじめ、やがて肩から背中を揺らし、一瞬天に向かって声にならぬ咆哮をあげてお竹を引き寄せ、 顔と顔をぶつけるように口づけをした。お竹も機を得たりと、互いが互いを貪るように荒々しく唇を奪い合う。 彦八は確信した。 人気の無い山中で抱き合っている息子と娘は、すでに彦八の知る拾い子らではない。 随分以前からこうして抱き合っている若い雄と雌だったのだ、と。
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