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耳が痛い。空気が冷えきっているせいだ、頬もびりびりする。ふうっとため息を吐けば真っ白に溶けていった。名護は左腕の時計をちらりと見た。約束の時間を5分過ぎている。どういうつもりか一言いってやらねば。寒空の下での待ち合わせを言い付けて先に帰った同士を心の中で叱ってみた。 恵:名護君[E:0002]はいお待たせ[E:0002] 冷気を跳ね除けるように明るい声が後方からした。 名護:約束より6分32秒の遅刻だ[E:0258] 名護はくるりと振り向いて眉間に皺を寄せて不機嫌な顔をしてみたつもりだった。が。その表情は後ろにいた恵の姿にぼろりと崩された。午前中には髪を結い上げてショートパンツだったはずだ。その恵がピンクのワンピースに白いモヘアのふわふわしたカーディガン、長い髪をくるくるとカールさせて揺らしている。どこだったかの高級店の銘が印刷された手提げの紙袋を両手で持ち、ヒールのあるパンプスの足をきちんと揃えて立っている様はいいところのお嬢様だ。 恵:ど[E:0003]今年の新作ドレス[E:0454]わざわざスタイリストの友達に頼んだの[E:0454] はにかんだ顔で恵が説明する。そういえば恵の副業はモデルだったなと名護はふっと思い出した。少し短い丈のワンピースから覗く脚がすらりと美しい。普段からショートパンツが多い恵の服装では見慣れたはずの白い肌が艶やかに見えた。 恵:何[E:0003]なんか変[E:0003] 名護:いや別に[E:0330] 名護が思ったことを口に出せずにいると恵の方からすっと寄り添い腕を絡ませてきた。 恵:急に予定変えてもらってサンキュー[E:0454]今日は付き合ってもらいたいところがあるの[E:0454] 上目遣いで見つめられて名護はすっかりペースを乱された。 恵:ね[E:0002]お腹すかない[E:0003]あたしが奢るから食べにいこう[E:0002] 元気が弾けんばかりの恵の提案にああとかうんとか曖昧な返事を名護はして一緒に歩きだす。恵の絡めた腕が温かい。これが人の温もりなんだと実感した。 恵:はー[E:0343]美味しかったあ[E:0343] 満面の笑みを浮かべて恵が言う。 恵:ねえ名護君は[E:0003] 名護:うん[E:0258]まあまあだ[E:0258] 恵:あら…はっきりしない感じね[E:0456]奢ったのになー[E:0456] 名護:恵にしては意外な店だな[E:0003] 恵:は[E:0003] 名護:また焼き鯖定食の店かと[E:0258]
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