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真司:え[E:0003]ちょっ…つ[E:0733] 何がなんだかわからず美穂に強引に連れ込まれた自動ドアの先はホテルのロビーだった。美穂が扉を開けた部屋は思ったよりシンプルな内装で間接照明がほのかに灯っていた。しかし空間は無言と無音が続いていた。外の激しい雨が外壁を打っているし、場所柄、ボイラーや排水の音、そして誰かのあられもない声などが耳に入ってもおかしくない。だが真司に聞こえるのは自分の心臓の肥大した動きだけだ。美穂に何を話せばいいのか、何を問えばいいのか身動きがとれない。美穂はあの引きつった顔のままフロントで手配をすませてから何も言わずずんずんと廊下を進んで後から付いてくる真司に振り向きもしなかった。真司がためらいがちに追いかけているのを知ってはいたのだろう、ドアを開けたところでまた腕を捕まれて部屋に放り込まれた。ドアが勝手に閉じたという音だけはやけに耳に残っている。豪雨から解放されたのに居心地のよさなど感じられず、むしろ奇妙な緊張感で手に汗が滲む。 美穂:突っ立てないでホラ[E:0734] ぐいっと胸元に白いタオルが押し付けられた。とりあえず受け取って顔を拭く。そっと視線を向けると濡れ髪のまま腕組みをした美穂が睨んでいた。 美穂:あのさ[E:0258]あたしもシャワー使いたいからさっさと浴びてきて[E:0258] あ、うんと返事をしたものの自分がとてつもない危機的な状況に置かれているような気がして落ち着かない。美穂とバスルームをちらちら見やっていると美穂に苛立たし気に早く[E:0734]と急かされて押し入れられた。やっぱり落ち着かない。真司は狭い部屋をバスローブ姿でうろうろと歩き回った。雨に浸された自分のTシャツとジーンズは袖を通すのを躊躇われたし、美穂が綺麗にハンガーに干していた。その美穂は真司と入れ代わりにバスルームに消えて、今は彼女が流しているシャワーの音だけが漏れ聞こえる。真司は気晴らしに壁ぎわに置かれたテレビのスイッチを入れてみた、とたんに大げさな叫び声の女性が画面から溢れて仰け反ってスイッチを切る。そうか、オレ今そういう場所にいるんだ。美穂に帰れと言ったのはこういう事に陥らないためじゃなかっただろうか…矛盾してる。一度ベッドに腰を下ろしたが、思い立って立ち上がった。シャワーの音の代わりにドライヤーの風が吹く気配がバスルームから聞こえている。今ならまだ間に合う。真司は声を張り上げて美穂に聞こえるように諭した。 美穂:ごめんなさい[E:0441]
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