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美穂:止まないね[E:0456] カフェの大きなガラスに無数の細かい水滴がついていた。美穂が困った顔でそのガラス越しに人工的な光が行き交う光景を眺めている。おまえがさ、別にそんな顔することなんだけどな…本来困っているべきはオレなのにと真司はそんな美穂の横顔を見て可笑しくなった。 美穂:何ニヤニヤしてんのよ[E:0003] 真司:別にしてねえよ[E:0814] 美穂:今笑ってた[E:0734] 真司:笑ってない[E:0734] 美穂:笑ってた[E:0734] 真司:笑ってない[E:0734] 店員:…お客様…閉店時間になります[E:0330] 空気の読めない店員に二人揃ってあ、そうですかと小さく返事をした。 真司:なあ…おまえ急いで駅行けよ[E:0454]まだ終電間に合うだろ[E:0454] カフェを追い出された二人は雨の当たらない軒先に避難していた。店を出るなり雨脚が強くなって走ってやり過ごすのもためらわれるが時間は既に深夜の域だ。これ以上美穂を自分の雨宿りに付き合わせるのは酷に感じられて真司は紳士的なつもりで提案した。 美穂:このどしゃ降りの中駅まで走れっていうの[E:0733]ひどっい[E:0734]だいたいあんたどーすんのよ[E:0733] 真司:オレはもうちょい小降りになるまで待つよ[E:0454]バイク置きっぱなしにしたくないし[E:0454]そしたら24時間のファミレスでもマン喫にでも行く[E:0454] 美穂:ふーん[E:0456]あたし一人濡れて帰れってこと[E:0003] 真司:ああーっ[E:0734]そうじゃなくてっ[E:0734]ちゃんと家に帰れって[E:0734]女の子が…なんつーか…こう…男と二人で…その…二人で一晩中いるってよくない…よくないと思う…つーか…[E:0330] 真司が湿気ですっかりベタベタになった自分の茶色の髪をぐしゃぐしゃと掻いていた。彼の苛立つとついでてしまう癖だ。美穂は道向かいのショーウインドウに街灯で浮かび上がった二人きりのおぼろげな虚像を見つめて呟いた。 美穂:…意外と古風なんだね[E:0454]あんた[E:0454] 真司:なんだよ[E:0003]それ[E:0003] 美穂は押し黙っていた。しばらくの二人の間に容赦のない雨音と車が走りながら跳ねあげる飛沫の音ばかりが繰り返された。
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