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(突拍子もない自身の行動に漏れ出る微かな声すら素知らぬ振りをして、伏目がちな瞳で追い詰めたまでは良かった。最後まで視界の中で輝いていたのは澄み切ったアイスブルーで。だが、間も無く触れたのは弾力のある唇、ではなく軍人とは思えぬほどしなやかな指の腹だった。拒絶した事実すら決して自身を傷付けぬようにと紡がれていく言葉の端々に彼女の配慮が感じられ。だが“要らぬ誤解”と自身の軽率な行為を諭すような物言いが届くと、少しだけ押し退けられた金色の瞳は確かな憤怒を孕んで。彼女の言う通り殆ど初対面の(しかも国家最上級の軍位を持つ相手)に対して自身の行いは、あらぬ疑いを持たれても致し方がないものだ。が、これまであらゆる手練手管を駆使して生き抜いてきた自身にとれば相手に働いた“行為”そのものは何ら珍しいことではなく。幻惑の力を抑えたい気持ちと如何にも抗えない半分自身に巡る淫魔の本能。人格と知性を兼ね備えた彼女と自身では何もかも違い過ぎる。薄汚い自身の生き方を否定されたような、それでいてごちゃ混ぜになった言い表し難い感情すら見透かされてしまったような気がして。寧ろ罵倒してくれた方が楽だったのかもしれない。) 「──貴女に私の、」 (何が分かる─。静かな怒りに震えた言の葉は既の所で噤まれる。そうしてから一歩、また一歩と彼女から距離を取って後ろに下がると冷静さを取り戻すように溜息を吐いて。何を熱くなっているのだろうと自嘲気味な笑みを溢しつつ、行き場を無くしたキスすら掬い上げる優しさを見遣り。このままぞんざいに切り捨ててくれたらどんなに楽だろうかと、深々頭を下げた表情には諦観さが滲み出ていた。) 「いえ、どうかおやめになって。…弁解の余地もありませんわ。如何なる処遇もお受けします。申し訳、ありません。」
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