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渇く感覚の、目覚め。 軟水の肩先。 心、優しく泣きたがるけれど、 あたしの海は、 夢みたいに遠い。 花火。 せつない、 ここに、いて、 ぽとぽとと零す言葉は泣けというよに柔らかい。 筐体ごしにそれを聞くあたしは、 雑踏、 干涸びかけの尾鰭を守るのに必死。 あたしが泣く為にはそれはそれはたくさんの水が必要です。 あなたの水を呑ませてください。 涙、隠してもらわねばなりませんから。 閉じる瞼がないものですから、 涙、溢れたら落ちるしかない。 肩口濡らすと厄介です。 赫い赫い痕跡がきっと残ってしまいます。 有り丈の涙流れたなら、想いの丈笑いますから、 待っていて、 待って、いて。 待っています。 の 指切りを。 切った指落としたら、 つぃ、と逃げたあれは何。 身を寄せ合って夢花火、 隠れ家嘘つき密(ミソ)か事。 前髪揺らす夏風に、 絡めた指の縁結び。 誰もそれが悪いことだなんて教えてくれなかったからあたしなんにもしらないの。 しらない。 逃げたのは嘘つきと諦め飲み込んだ魚。 これまでが嘘でしたから、 全部嘘ばかりでしたから、 あたし、 あなたの水で 本当、に還ります。
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