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蕩けるような朱がゆらゆらとする。 一瞬幻かと思ったそれは、 線路を焦がす焔です。 あんまり揺れるものだから 世界が燃えると思い違えて、 愚者が水に飛び込んだ、 という妄想、だとか。 僕は、淋しい。 吐息がとても白いので 一寸先の手探り 薄く滲むのは赤色ばかり。 遮断機のシグナルと銭湯のネオンと、 線路に燃える火と、 ネオンの文字は極楽。 そうね、極楽、 手を伸ばして届くなら良いね、 遮断機の耳に残る音にぼんやりとして 渡り切らないうちにまた警報 (ねぇ疲れるよ、 とてもとても疲れるよ) 夢のような赤の規則的が残す、 冴え渡る夜に緑の残光。 僕は、淋しい。 こんこんと歩道橋上れば 一体何の辻占か もうじき満月だねと誰かが言うのが聞こえてしまって 眼下に連なるテェルランプの点滅を 酷く絶望的だと思う。 雪が降り出しているのだから、 月なんて見えないのに。 (昇りは二十六段、 降りる時は一段多い) 雪が舞う空を見上げれば 奇妙な浮遊感。 硝子張りのエレベェタに似ている、 と思いませんか、 (のぼるのぼるのぼるのぼる、 くちからでそうだ) 両手を高く差し延べて 眩暈に震えながら歩く。 掴みたい物などないのだけれど。 夜の雪はとてもとても奇麗、ですね。 国道を行く車の暴力的は不可ない ごうと行き過ぎる風に乾いた眼を閉じると 瞼の裏が赤くて熱くて、 ああ、 全てが此処に焼き付いてしまったのだと わっと声を上げたい衝動に 身を捩って、捩って、 訳も分からず僕は 沸点の涙を抑え切れないのでした。
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