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ゆわゆわと撫でるみたいな植物性の文字列で、 あなたは、 あたしのかたちをすこしずつ分けて、 それから、 ひどく無秩序に、 しろい敷布のうえに並べて水を注ぐ、 よなやりかたで、 べつの形にかえていってしまいました、から、 あたし、 すこしだけこわかった、でした。 夏夜。 (はいに、すいれんがさく、かと、おもったの) 手繰りよせる蔓性の夜想のゆき先は、 いつだって、でたらめに入り組んでいて、 戯れに重ねる爪先の月、の、ぼわり、泣き虫。 摘んで捨ててしまわなくては。 (ふねにするには、たよりないもの) あ、 あ。 燃えるダリヤの原色に追われる心地の夏が、また廻りましたのに、あたしときたら、枕木の隙間、線路伝うたたんに急かされて、痩せた花揺らす待宵草の、しぼんだ薄紅より、まだ頼りない。触れるみどりの指先すら上手に染められなくて、うなだれて、いる。 (あたし、よるには、さけないの) 青、が黒に見えるまで塗りたくった空のべたべたに、 飛び込んだなら泳げるんだろうか、 留紅草の羽衣、で。 赤の星。 白の星。 猫ノ耳商會謹製。 おしゃべりが過ぎた金魚草は、 あぶくを吐けずに、 夏の水の底、溺れてしまいました。 柘榴が隠す鉱物性の秘密は、 まだ、覗いてはいけませんから、 菊花にも桔梗にも、 少し、早すぎますね。 全部がお話になってしまうまで、に、 どれだけの花の名を、 あなたに伝えられるの。 先を、先を、と、 目を細めたなら、 決して実をつけることない、 常緑の、双葉。 (すこしかなしくも、あるけれど) 蝉の声にじっとりと含まれた水気が空気をぐらぐらと煮立たせて、 すべての音を、ぼおやり遠くにやってしまうから、 あたし、 両耳をあなたの掌で塞がれる、 の想像が連れてくる酷く現実味を帯びた感覚に、 ひっそりと暦の十二枚を思ったり、するのです。
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