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青ざめたコンクリートに 乾いた靴音 死んでしまったホテルには未だ 帰れないままの 客たちの くすんだ足だけが 無造作に 遺されている 黒黴を着込んだ 純白の壁をなぞる 静脈の鼓動 透明な窓越しには 嘗てより 厚い 硝子と 風からはぐれた カゼ かすかな足跡も やがては沈む 白い骨 生に気付いた時 背負った籠は いつからか開いた穴の底から 果実を なくして 空っぽになった 不良品 赤い紅葉の 散り乱れる 泉 岩肌には濾過された雫と苔と惰性だけが広がる 灰色の曇天には 形さえやふやな 言葉と 夢と 幸せだけが溢れて フロントに置かれた どこかへの鍵が 開かれることのなかった 場所へと僕らを招き入れた あの空っぽだった心臓が今もまだ こんなにも生きていることを知らせるために 生きている 生きていたい 死んでいる 死にたい だからこそ生きられない 死ぬこともできない そんな廃ホテルの棺桶に 臆病な 後悔だけが 染み付いている 抜け出せない ぬかるんだ 悲しみに 75度のウォッカとミニグラスとナイフを 優しさを ぬくもりを 安らぎを孤独で埋め合わせる あらゆる事象の火の海を 過去に焼き付けて いまが少しずつ廃れては 取り残されて 僕は ミルフィーユのように積み重ねられて 僕ではない 怪しい有機物へと変質していく そのように 個になろうと化ける度に君は 個を失ってしまうから 今日はとりあえず ここに泊まる必要があるでしょう そんな損失も 必要なのでしょう
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