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いつもの声で目が覚める。 のび太、いつまで寝てるの!早く支度なさい! ママの声だ。 のび太はゆっくりと目を開けた。見慣れた天井。階段を下りていくママの足音。瞼が重い。 ドラ「ほらほらのび太くん、学校に遅刻しちゃうよ」 何も知らないドラえもんの声…。いつもと変わらぬ朝だ。 のび太「おはようドラえもん」 ドラ「おはようのび太くん。ほら着替えて朝ごはん食べよう」 のび太「うん…」 台所に行くため階段を降りようとすると、背中からドラえもんが声をかけてきた。 ドラ「僕は今朝みぃちゃんと朝の散歩をしたんだ」 のび太「へぇ…良かったじゃないか」 ドラ「それでみぃちゃんが言ってたんだけど、昨日の夜、のび太くん家を抜け出してどこか行かなかった?」 ドラえもんの言葉にのび太の体が硬直する。 まさか、近所の猫に見られていたなんて…。 のび太「まさか。そんなことあるわけないだろ」 平静を装い、そう答える。 しかし怖くてドラえもんのほうを振り返ることができない。 ドラ「そうだよね。のび太くん一度寝たら朝までぐっすりだもん。夜中出掛けるなんてできないよね」 のび太の言葉をドラえもんはあっさりと信じた。 のび太はそっと安堵の息を吐く。 のび太「それよりドラえもん、みぃちゃんとの付き合いちょっと考えたほうがいいんじゃない?夜中に出歩いてたわけだろ?ドラえもんもとんだ悪猫に捕まったもんだな」 悟られないようにするためか、のび太は無意識のうちに普段より口数が多くなっている。 気分を害したのかドラえもんはのび太を押し退けてさっさと1人、階下へと下りてしまった。 食事中、ドラえもんはむっつりと黙りこみ、トーストを口に当たる部分に押し込んでいた。 のび太にしてはこのほうが好都合だった。 ドラえもんと話さなければボロを出すこともない。 無言の2人を、パパとママはまたいつものケンカかと呆れ顔で見つめている。 のび太「ごちそうさまでした」 椅子の背もたれに掛けていたランドセルを掴み、玄関へ向かおうとすると、ママが追いかけてきた。 ママ「のびちゃん、先週受けたテスト今日返ってくるんでしょう?隠さずにちゃんと見せなさいね」 のび太「わかったよ。うるさいな」 反抗的なのび太の態度にママの眉がつり上がる。しかし途中で何かに気づいたらしく、ママの表情は複雑に歪んだ。 ママ「どうしたののびちゃん、その靴…」 のび太「え?」 玄関に脱ぎ捨てられているのび太の靴。それは昨夜ついた泥で汚れていた。 ママ「まぁ!!そんなに靴を汚して…またママが洗わなきゃならないじゃない!」 のび太「うるさいな、このまま履いてくから別にいいよ」 ママ「そんな汚い靴で学校に行くの?」 のび太「平気だよこれくらいの汚れ」 ドラ「せっかくママが先週洗ってくれたばっかりだったのに、のび太くんには申し訳ないと思う気持ちはないの?」 のび太「うるさいなドラえもんには関係ないだろ」 のび太とママが言い争っているところへ、いつのまにやって来たのかドラえもんが割って入った。 のび太はうんざりとして言う。 のび太「もう遅刻しちゃうから行くよ。ドラえもんはまたみぃちゃんとデートしてドラ焼きでも食べてればいいさ」
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