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こうしてのび太は出来杉を裏山へ、そして秘密基地の中へと誘導した。 草むらに隠れていた剛とスネ夫が素早く秘密基地の入口を塞ぎ、中に出来杉1人だけを閉じ込めた。 のび太は遠くからその様子を眺めているだけだった。ただ出来杉の情けない姿が見られればそれで満足だった。 閉じ込められた出来杉は始め、何が起きたのかわかっていないようだった。しかしすぐに助けを求める声が聞こえてきた。 出来杉「のび太くん?そこにいるんだろ?ここを開けてくれないかな…」 こんな状況でものび太を信じて声をかけてくる出来杉になぜだかひどく苛立ちを覚えた。 それに剛やスネ夫の手前、1人だけ正義感ぶって出来杉を助けるわけにはいかない。 のび太はもう、後に引けなくなっていた。 剛「ギャハハハ、馬鹿だなー出来杉の奴」 スネ夫「そうだそうだ!ちょっと頭いいからって調子に乗ってるからこんな目に遭うんだぞ!」 剛とスネ夫は慌てる出来杉の声を聞き、楽しそうだった。 それを見ていたらのび太の罪悪感も和らいだ。 ――出来杉なんか、もっとひどい目に遭えばいいんだ。 しかしここで出来杉の声色が明らかに恐怖のそれへと変化した。 出来杉「暗いよ怖いよ!出して!ここから出してぇぇ」 取り乱す出来杉の声に、剛とスネ夫はますます盛り上がっていく。 今思い返せばこの時に出来杉を救出していれば良かったのだ。 出来杉「お願いだよ出してよぉぉ」 秘密基地の壁が揺れた。 中で出来杉が暴れ出したようだ。 スネ夫「ねぇなんかまずくない?ジャイアン…」 剛「おう、そうだな!そろそろ出してやるか」 2人が秘密基地の扉を引こうとした時にはもう遅かった。 所詮は子供が作ったもの。 きちんと設計されていなかったので、暴れる出来杉に扉は歪み、引けなくなっていた。 剛「おい、出来杉落ち着けよ…」 スネ夫「そうだよそんなに暴れると扉が完全に引けなくなっちゃうよ…」 焦る2人。暴れる出来杉。 そしてのび太の目の前で、事故は起こった。 一瞬の出来事だった。 子供の手による脆い秘密基地は崩れ、瓦礫と化した。 その下敷きになった出来杉を掘り起こした時には、既に息はなく、3人は愕然とした。 これは事故だ。しかしそれを招いたのは自分達の嫉妬心と悪戯心――。 3人は相談し、事故を隠蔽することに決めた。 そのためには出来杉の死体を処分しなければならない。 こうして3人は深夜、裏山に集まったのだった。
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