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きっかけはただの嫉妬からだった。 学校で彼ら3人が教師から注意を受けているところを、出来杉が庇ったのだ。 これはいつものことだったが、その日はたまたま現場を女子の一群が目撃していた。 「出来杉さんて優しいのね、あんなクズみたいな人達の味方してあげるなんて」 誰かの声がそう言ったのを、3人は確かに耳にした。 悔しさと羞恥心が同時に襲ってきた。 教師から注意を受けたのは自分達の非が原因で、出来杉が庇ってくれたのは純粋な親切心からだ。 出来杉を恨むのは間違っている。 頭でそう理解しようとしても、気持ちは治まらなかった。 女子の一群の中にはのび太の片想いの相手、クラスのマドンナ的存在の源しずかがいたから尚更だった。 放課後、のび太はその時のことをスネ夫に愚痴った。 案の定スネ夫ものび太と同じ考えで、出来杉のことを良く思っていないようだった。 のび太「しずかちゃんはあんながり勉のどこがいいんだ!」 スネ夫と話していると、自然と口汚くなった。 剛「だったらちょっと出来杉をからかってやろうぜ」 2人の会話を盗み聞きしていた剛が、話に割って入った。 のび太「からかうって?」 スネ夫「どうするのさ、ジャイアン」 スネ夫がいじわるく目を細め、唇を尖らせた。 悪巧みをする時の癖だ。 剛「出来杉を裏山に招待してやるんだよ…」 剛が怪しい笑みを浮かべる。 スネ夫はその一言ですべてを理解したらしく、周囲から狐と揶揄される例の顔で、気味の悪い笑い声を洩らした。 のび太「え?裏山に?」 1人だけ理解できなかったのび太が、不思議そうに首を傾げる。 スネ夫「馬鹿だなのび太。あの秘密基地に出来杉を閉じ込めてやるんだよ!ね?ジャイアン?」 剛「あぁ…いつもは冷静な出来杉もさすがにびびるだろ。開けてくれー出してくれーって俺らに泣いて懇願するかもな」 秘密基地――。 それは彼らが裏山に作った遊び場のことだ。 古い木材や泥を使って、子供ながらになかなか本格的な造りになっている。 しかしさすがに電気を通すことは出来ないので、ランプがなければ秘密基地の中は昼間でも真っ暗なのだ。 剛「おいのび太、出来杉の奴をうまく言って裏山に連れて来いよ」 いつもは躊躇する剛の命令にも、この時ののび太は快く返事をした。 のび太「うんわかったよ!絶対に出来杉に一泡食わせてやろうね」
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