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丑三つ時の裏山――。 彼らの足元には小さな死体が転がっている。 冷たくなった体。 かつては彼らのクラスで秀才と持て囃され、女子からも人気だった彼――出来杉英才の死体だ。 のび太「ぼ、僕やっぱりこんなことできないよ…」 のび太の足は震えている。 のび太「やっぱりドラえもんに相談してなんとか…」 剛「何言ってんだ今さら」 のび太「で、でも…冷静に考えたらこんなこと…」 剛「だったら何か?ドラえもんに頼んでタイムふろしきでも出してもらうか?」 剛が猫型ロボットの持つ不思議な道具の名を口にする。 のび太「そ、そんな…タイムふろしきは死んだ人を生き返らせることはできないんだ…」 剛「そうだったよな?昼間お前が言ったことだもんな!」 スネ夫「あ、じゃあタイムマシンで過去に戻って、あんなことが起こらないようにすれば…」 のび太「無理だよ。人の生き死にに関することは変えられないんだ…」 剛「だろ?だったらもう…やるしかないんだよ」 剛の言葉に、のび太は渋々頷いた。 続いてスネ夫も決意したように強く顎を引く。 剛「じゃあ…始めるぞ…」 剛の右手が動いた。 迷いなく出来杉の腕を切り落とす。 のび太は震える手で、持ってきたノコギリを握り直した。 いつもは饒舌なスネ夫も、この時ばかりは黙りこみ、無心でノコギリを引いている。 こうして3人は出来杉の死体を解体し始めた。 すべては自分達の犯した罪を隠蔽するために…。 しばらくすると、のび太の耳にすすり泣きが届くようになった。 始めはスネ夫が泣いているのかと思った。 しかし違う。この耳障りなしゃがれ声は――、剛だ。剛が泣いているのだ。 ――あのジャイアンが泣くなんて…。 のび太は驚異を感じるとともに戦慄した。 自分の置かれた状況を改めて理解した。 ――昼間、僕達は出来杉を殺害した。
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