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本文
-3- お兄さまが一人研究所に入って行った瞬間を見計らって男の前に飛び出した。 「ちょっとアナタ、今おに…ゼロスさまと何してたんですの!?」 まじまじと見たところ…貧乏そうで頭の悪そうな感じ…。こんな男とお兄さまが仲良くするはずないわ! 私は必死に相手を睨んだ。 「何って…話してただけだけど。」 「嘘!!今抱き合っていましたわ?!あなた、一体ゼロスさまとどういう関係ですの??!」 「ゼロスか?ゼロスは大切な奴だ!」 「…は?」 た…大切??この人は何をおっしゃてるのでしょう?私、体の力が抜けて… ってそんなこと考えてる場合じゃない!! 「…ゼロスさまが男性であるあなたと交遊があるということは、ゼロスさまに一目置かれているのでしょうけど、ゼロスさまとお近づきになる相手に相応しいかどうか、試させていただきますわ!」 精一杯の力を込めて相手の男を睨みつけ、人差し指を突き付ける。男はとてつもなくけだるそうに見える…。 「…何を試すってんだ?」 「決まってますわ。私と勝負しなさい!」 「…勝負ぅ?面倒だなー」 こいつ…!お兄さまがかかっているというのに面倒発言とは…もう我慢の限界よ! 「問答無用!!はぁぁっ!!!」 思い切り走り出し得意の体術を繰り出す。しかし… 「おわっ!!?…と!」 「…っ!!」 ぎりぎりで避けられ、仕舞いには剣の鞘を喉元に突き付けられてしまった。 「勝負あったな。」 「な…っ」 確かに私の負けです…。こんなに強いお方だからお兄さまも信頼するんだわ。 「…仕方ありませんわ。これからもゼロスさまをお守りくださいね?」 「ああ、もちろんだ!」 そのお方は、とても爽やかな笑顔をしていました。そこへお兄さまが帰って来てしまって… 「お待たせハニー♪っておい!何でセレスがここに居るんだよ!?」 「お兄さまごめんなさいっ、私…お兄さまに謝りたくて…」 「あぁ、もういい。お前は帰って寝てろよ。」 「わかりましたわ…。それじゃお兄さま、そのお方とお幸せにー!」 私、あの方になら安心してお兄さまを差し出せる気がする…♪ 「はぁっ!!?」「はぁっ!!?」 二人の奇声が聴こえたような気がするけど、まぁいっか☆ -fin-
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