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飴色ガラスのきのこに 秋の灯(ひ)がともる こんな森をあるきたい。 ときみはいう それなら あかるい空を呼ぶ鈴をきみのどこかにつけなくては いろづく森のもっとも密な部分が 肉厚の両てのひらで地面をたたきながら 陰性の彷徨をはじめているから ――ぼくはおもいだす、あの日のきみ 奥山のわらわない鹿のようにあるいていた、学校のわたり廊下を足早に おおきな眼にはうごかない水 いらだたしげにながい髪のひとふさを両手でしごきながら きみの足もとで ちりりん ちりりん 鈴がなっていた どこかにひそむ黒 その牙と爪に合図をおくるアンクレットの鈴のことを 運動靴だったきみはまだしらなかった 檻のとびらをあけたとたん しなやかに突進していく黒 そんなふうに解放された涙が きみをたおやかにそだてていった いまではよく笑う、 ワインをふくんだようなふくみ笑いに シャンパンのようにはじける笑い 昨夜はのびやかにひびくじぶんの歌声におどろいた 脚をのばして エナメルの靴をうっとりながめる その靴はハミングしてはずんでいく やっぱり ちりりん ちりりん 鈴がなる どこでなるのか もうぼくにはわからない しりたい? いたずらっぽい目で きみはいうけれど…… おそらく鈴といっしょにかくれているのだろう、たまに不器用にとびだしてくる牙と爪が ひとさし指でまなじりをひっぱりさげるきみの仕草 それは吊り目を気にしているの? ブーツの季節になったら いろんなタイツをたのしみたい。 といっていたきみは 鹿の子の脚になる 飴色の秋 落ち葉ふみくだきあるいていけば しゃぼん玉のようにたちのぼる、 落ち葉にうもれ はしゃいでいたおさない日 いま 鈴はきみの首にむすばれている ねえ、肩車。 きみは鹿の子の脚でぼくの首をしっかりはさみ りんと背すじをのばす 視界の両はしがのびていき 背後でつながり ぐるりはぶなの森 ぼくたちはきのこのランプになった あちらこちら かたい大粒のなみだ からん ころ ころろ ぼくたちはちかくにひそんでいるらしい黒をかんじている
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