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見えないものは全て少しずつ違う海です おんなのひとの名前を魚の包み紙に忍ばせて あなた、何かに耐えるように震えながら盲いていく わたし、黄昏の気配も知らずに紙一重を揺らす吃水線 いずれは消える優しい指を捜して ひらひら奪われる淡い水の鈴 微睡みの運河に灯る約束 「もう、脱いでもいいのかしら?」 「まだだ」 あなた、かたちあるものを畏れながら 古いシャンソンみたいな声を出す度に いちいちおどろいて 私を零してしまう 「まちがいでありますように」 「どうかどうかまちがいでありますように」 なお遠くに忘れたい季節から 懐かしい色の流れが来ます いつもの水に触られた肩を確かめるように そしてあなたは いつか私は どこまでも夜であった海に 違う名前で呼ばれるまでは 浅ましく眼を瞑って せめて美しい腕を、と 崩れるように泳ぐのでしょう 「痛いのか?」 「ううん、平気」 始まりも終わりも夜に頷いて 少し遠いものに手を伸ばそうとする仕草が傾く 前屈みになりながら 溜息と夏草の余韻が漂う朝に わたし、怯えながら滲んで あなた、俯せたまま端からすっかり溢して 貰うことばかりを考えていました たくさんあると安心しました 神様、ほんとうがわからない 歌うように何かに従おうとしながら 晴れた朝に水が流れた 晴れた朝に新しいシャツを着た 晴れた朝に「知らない人だよ」と紹介された 「アイス食べようか?」 「ちくちくするね」 怒っている人の眼は濁っていました ぎっしりと並んだ歯が少し怖くて 不揃いな眉を許されそうにない さみしい瞳だけが残った 晴れた朝でした 晴れた朝に水が流れて 晴れた朝に新しいシャツを着て 晴れた朝に
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