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みずうみの名は みどりこ といいます その昔、此処は険しい谷で 人も獣も草も水もありませんでした みどりこは ちょうど五本指の掌みたいなかたちをした ゼリィ状のみどりこでした ひらいたりとじたり むすんだりひらいたり しておりました 或る日或る時に 高熱を出した我が子を 看病の甲斐無く逝かせて仕舞った若い母親が みどりこに墜ちてきて そのかたは死にました 以来、みどりこは 救われなかったり報われなかったりしたかたがたが いつもは平気な顔をして笑ってらっしゃるかたがたが がまんがいっぱいになった時に訪れるみどりこになりました みどりこが溢れてゆく塩辛い水を いっしょけんめいに撫でていると すこしずつすこしずつ すまなそうな顔をした魚が 赤ん坊の頬の色した巻貝が 童女の髪を梳くように海藻が 此処にくると 幼子を喪った母達は また純粋な流れになって 口紅をつけない母の詩になるそうです 乳を腫らせたかたがたは 数珠を左の手に握りしめ 玩具を右手に大事そうに抱えて みどりこに向かって ごめんねごめんねやっとあえたね と口を揃えて云うのです それはそれは うれしそうに
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