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電話ボックスの中で膝を抱えていたね 名も知らぬ群青の子 葉むら草むら眠りの繭 あの人に前髪を触られたい そうして あの人は鶏頭の花に口を寄せるんだ あたしは まだよちよち泳ぎながら アールとエルの発音が区別できないでいたの 駅、階段、笑顔ポスター 賑やかな靴音に そっと耳を塞いで座るベンチ あの人にあげようと買った花を 浮浪者のオジサンにあげて仕舞ったけれどいいよね 発車のベルが鳴り響く 人波に押されてオバアチャンが転んだ 大丈夫ですか と、手を差し出したら ふん、そのテにゃのらん オバアチャンは油断のない眼をして あたしを睨んだ また誰かがラバを叱っているんだ よーいどん、なんてだいきらい おしえて なぜ 正しく美しいものは切手の中にしかないのかを どうして 繋がれている犬達は困ったような顔で あたしを見るのかを パラソルが開くように この星がそんなだったら どんなにかどんなにか ねぇ、 おみくじを拾ったよ 大凶と書かれてあったから あなたの笑う顔が浮かんだの 影絵みたいに捲れてゆく記憶 映画もプラネタリウムも席は二つ買うの あたし、 がんばる
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