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わたしは、ほんとうは楽譜なのです と 告げたなら 音を鳴らしてくれるでしょうか 指をつまびいて すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか それとも声で わたしを世界へと放ってくれるでしょうか すくなくともわたしは あなただけを待っていました ピリオド、のようなものがそこいらじゅうに 点在しているような、夜でした ずうっとここにすわっていたのに スタッカートではずんで、あなたは おとといの晩 わたしの頭上を飛びこえて、今では 4小節ほど先の未来を生きています 西の空から伝うメトロノーム かすかに、でもたしかに、振動する あるく速さでね、 って もどかしく背中をふるわす そうして、4小節先の未来にいるあなたに いつまでも、追いつけないまま ピリオド、のようなものをつなぐと、それは 星座のようなものになり あしたになったらあなたが アンタレス辺りにきっといるよ、と それだけ告げると白く消えていきました やがて 五線譜のかなたから明けてゆく レース模様の、朝
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