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サンバのリズムで彼女は案内する、 タ、タ、タ、ターンタ、 広がるフレアスカートは真っ赤、 熱気のみなぎる裏通りは、 これでも充分には裏でないらしい。 粘っこいグリースの臭い、 不意に鼻をくすぐる香ばしいコーヒー、 売り子の声、声、声、足音、足音、足音、 タ、タ、タ、ターンタ、 もしかしたらサルサのリズムかもしれないがよくわからない、 とにかく四拍子なのは確かで、 ネジ台通りにようこそ! 叫んでいるのは売り子だけではなくて、 叫んでいるのはネジ台通りのすべて、 緑、黄色、赤、青、 色彩のすべては原色で、 目眩を起こした三半規管をさらに震わせる声、 斜めにおいで! まっすぐ歩いていたら、 ホントのネジ台通りにゃ行き着かないよ! むっちりした彼女の二の腕に掴まってよたよた歩けば、 粘っこい生ゴムの臭い、 誰かが揚げてるコシーニャの匂い、 彼女の烈しい笑い声、 人間はまず喰うことさ! すべては喰ってからの話さ! 脂ぎってねとねとする屋台に寄り道して、 指を汚して喰うパステウ、 辛すぎるアヒー、 ホントのネジ台通りに行きたけりゃ、 まっすぐ前を見ていちゃだめさ、 そうさ、そうさ、 タ、タ、タ、ターンタ、 斜めにおいで!
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