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卵白に手持ちの砂糖を適量加え、泡立てること数分 それくらいの仕草で つややかに真っ白なメレンゲは現れる 頭上の時計を見る ルームランプが明る過ぎて 私はすぐに目を落とし 一秒ごとに侵されていくボールの白を じっと見つめた お向いの子は熱心で 今日もピアニカの練習に余念がない 単純なメロディ、ときどき止まり、そして戻る メロディ 途絶えては 何度も帰ってくる、メロディ 家々の天井を透けて 生ぬるいスモッグの真っただ中へ ささやかにも旗は、掲げられる あらゆる種類の排気は 望まれて流れ 旗の下で渦を巻く、真っ白な私たちを 常に見つめ返している ここに招かれたこと、ここで休まること そしてその隙間を交錯しながら 潰れていく感情のこと 路傍の電柱も、高原の夏草も 不断の呼吸を あるいは吹き抜ける風を裂いて とある朝 オレンジ色に輝く、その小さな旗を掲げるだろう 地平の先にはいつも 同じ分量だけの記憶がある 私はもう一度メレンゲを立て直し 生地に混ぜ込むための準備を始めた この生地を焼く そう望まれて、胸元を 照り返すキッチンに寄せる
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