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隣の家の男の子は 背が低くて 鼻の頭に 種を蒔いたように ぱらっと散ったそばかすがある 水をやったら芽が出てきそうな 完璧なそばかすである 彼は ローレル指数 という美しい名前の指数が 標準を越えているので 太っている じゃなくて 肥満 というそうだ 可哀想に だから彼は牛乳もお菓子も 一切禁止されている それなのにぜんぜん痩せる気配がないのは 一体どうしたことだろう 晴れた日曜日に 窓際にべたっと座って 玄米茶かなんか飲んでいる彼は とてもつまらなそうで ぺらぺら捲っているのは 決まって読む気もないアメコミだ ヒーローなんかいないって 彼自身がいちばん知っているのに 飲んでも飲んでも癒えない渇きや どんどん淀んでいく瞳 日に日に重くなっていく体は 海の底にいるようだ あんまり可哀想だから 日暮れに裏山へ連れて行き 牛乳とお菓子と炭酸飲料を 買えるだけ買って食べさせた カナカナが鳴いてて 薄暗くて 木々は緑の影を落として 足元にうずくまって夢中で口に 頬張っている男の子を見たら 殺したいような抱きしめたいような なんだか変な気分になった ※ローレル指数 学童の肥満をあらわす指数。 10×体重[kg]÷(身長[m])の3乗という式で計算され、160以上で肥満とされる。
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