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僕は夜を使い過ぎた。井戸の乱用だ。 どうにも葬式が気になる、気になっている。 足だ、幾万もの肌色をした生足。 靴下を履いているものもある。 船は壁を伝い這い登っていく。 ぼきぼきと音を立てて。 僕は腕が伸びるのを待つ。 ふと閃きに似た形でそれは人波に消えてゆく。 タイムカプセルに被さった砂にも似ている。 やがて乗客どころか舵をとる者すら不在だと知る。 荒い旅だ。 見たことがある。運動会の、大玉転がしだ。 ささくれによって脱線し、何れ死ぬだろう。 物言わぬ人工にやがて、口を奪われるだろう。 高音は耳につく。彼女の声は高すぎる。 つまり解散だった。 やがて顔面だけとなる。 あいつは時折、僕の鞄の中にも現れた。 人と擦れ違う時はキーホルダーの振りをして、あたかも自然にそこにいた。 (何もかもを口から食べようとしている) 「重力に従って、穴の空いたポケットからどんどん落としてゆくのだもの」 (口にはどうして毛が無いんだ) 「どんどん落ちるから、また井戸に落ちるのよ」 僕は夜を使い過ぎているのに。 岬に会いたくなって車を飛ばすと、どこまでも葬列が続くのだ。
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