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・ ドアを開けるとどういうわけか そこは一面の野原で 野原の真ん中には 長いはしごが立っている 支える者も居ないのに すっくと真っ直ぐ立っている わたしは然したる疑問も持たずに はしごに手を掛け足を掛け ふわふわふわとのぼっていったが 中途で足を止めたとき 不意にはしごがぐらりとかしいだ はっ と自分の息をのむ音で目が覚めた ・ 鉄のシャベルで わたしは土を掘っている どうやら地中の奥深くに 誰かの赤ちゃんが埋まっていて わたしはそれを掘り出しているらしい 土は湿っていて生あたたくて 手ごたえもなくすくすく掘れていくのが なんとなく不気味でもあったが 赤ちゃんの母親が土の上から監視しているので 手を止めることが出来ないでいる そのうちさくっと何かに行き当たって 白い肌が露出した あ と思うと 赤ちゃんの小さな手がにゅるりと伸びて わたしの足首を がっ と掴んだ ・ 漆喰の壁を塗っている職人の傍で わたしは緑茶を飲んでいる すぐ済みますから と言う職人は どうしてだか 壁にすっぽり入り込んで 内側から漆喰を塗っている そのままだとあなた 壁を塗り終わったときには 壁の中に閉じ込められるんじゃあないですか とか 外に出て塗った方がいいんじゃあないですか とか言いたいのだが 職人さんは上機嫌で 鼻歌なんて歌っているので 邪魔しちゃ悪いと思って わたしは一心にお茶だけを見つめている 終わりました と言う声が掛かったので振り返ると やはり職人さんは壁の中に塗り込められてしまっていた ああ と 諦めとも不満とも安堵ともつかぬ 一種独特のため息が漏れた ・ 今は死んでいく夢を見ている途中だ 年々じわじわと年をとって 抗いもせず死へと向かっていくところだ どうしてだかこの夢からは 覚めることが出来ないでいる
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