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風の口をわたしは閉じた 眠りのなかで糸を垂らし、あの男に似た背の低い木を釣り上げる。昨夜とは違う階段を数え、見知らぬ景色は冷たい床に触れた 閉ざされた扉の向こうでは子供が泣いている 早くに眠ってしまった子、彼は孤独な目をしてわたしをみる(孤独とは、 冷たい裸、風をひきずる、深くに沈んだ星 遠ざかるもの)真夜中に魚は流れ 浅いところから海へと旅立つ あの子が足元からわたしを満たし 誰もが明日、そこにいないことを知っている「 わたし 眠るのがこわい。(夜が明けて目覚めることがこわくてしかたない。」薄く目を開けると知らない魚が流れていって、わたしは嘆く。知らない夜に落下していく 夜の喉をひうひょうと風が吹き抜けて 川から一羽の鳥が飛んでいく すべては還るもの 時間を確かめて流れはじめる魚たちの群れ わたしは扉を閉め 蝕まれていく夢のかげに あの星とをむすび 見守る わたしは静かに はじまった あたらしい世界の誕生を ああ 橋のうえに星は降らない あなたたちに疲労した空を飛ぶ鳥の姿が見えるだろうか 深く沈む魚の声が聞こえるだろうか 月が階段を駆け上がり星たちが落ちていく 凍りついた光が破裂して あたらしい あたらしい世界の誕生 夜明けが近づくたび衰えていく闇のなかで いくつもの夜が終わり またひとつ死が川を流れ それは静かに 古い夜をつれ 見送るものもなく 永遠の海へと消えていく世界 永遠に群がる亡霊 その様子を風は嬉しそうに魚に伝える 千の星の降る夜にただ終わりの順番を待つものたち はじまりの朝に過去を連れてはいけない 沈んでいく魚の影は 誰を見つめるわけでもなく 何度目かの 死を知った。
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