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そっと手をひらいて 潮が去ったあとに 日輪にうつるオウムたちの 羽冠 とり残された 点描の泡 立ち眩む/宿借は殻を捨て 行くべきなのだ/ という嘘に 湾曲をなぞっていた黒い肌の少女は 赤い波打ちぎわに腰かけて 砂まみれの足首を抱いた ここには王国があったという 彼は道路に立ち 胸を指して 自分にはその血が流れているだろうかと問う 聞こえなかったふりをする 私の肌は白すぎて 熱に膨れ かつて幻想だった大地に横たわる 影を踏んで 日傘を捨て 堅い手をやわらかな腹部へとみちびき ここにあなたの血が流れていると答えると 彼は膝を折り 髭だらけの口で祈る ひと月ぶりの朝に 岩穴を這い出し 水が退いた平地へ下りる 歓声 打ち上げられた 木製の舟に 漕ぎ手は無い/宿借は新しい殻を 見つけられずに死んだ/ それでも 石壁に奴隷や家畜が折り重なる神殿で 新しい生け贄が捧げられ 砂浜の足跡は消された 母はこの海を渡ってきたという 誰も知らない 遠い場所から そのことを母に尋ねても何一つ教えてくれず 聞こえなかったふりをする 白く輝く肌は あたしと違い 幻想と呼ばれる大地を思わせる 風が吹いて 髪がなびき はるか昔に飛んでいったオウムたちへ ふたたび切りひらかれていく予感を告げると あたしの爪先は濡れ 濃い朝焼けに触れる
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