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0./ごがつのひと いっしょの数を いつもの数に もどかしくおきかえて そこで悩んだ 楕円の水面が眠っている しろいはなにうずもれてる 淵に落とすよ きらきらのオルゴール つられて歌う 水に眠る金属音 むねからのどからてのひらから たちのぼる気泡の針路を仰ぎ 淡いブルーの胸騒ぎ 眩しい日の色は、しくしくと、瞼を刺すよ のどのあたりが砕けるよ ひかりに片腕をあげる てのひらに落ちる温度 おいこされてゆく つれてゆかれる きみに描いていたんだ 綺麗に鋏を入れてくれるきみに 帰らぬ潮の鳴き声と 幾百の夕暮れを 持ちきれずにいたの 1./雪の舟 さそわれたけれど 双眸の承諾を得るまえに かがみをのぞくようにきみにキスをしたら きみは難破したかのようにしずかな眼のいろであるいてゆこうとする 夕日の赤が廊下に渡りきりました 粗末なわたしが 口移せるものときたら 生命力か火花か寂しさか いっときの裏切りか 磨いたビスの脆いさま さきわいには遠い安らぎ 終ったら笑おうと、決めていたのに 2./託卵 それは哀しみと悦びをいちどにみたされたよう まるで白水晶の群れによびこまれた虹いろのよう、はじけちる清楚な雫のよう それなのに 死に際の蝶をほおばることは 青い無理を含みます 月がひろがる 暈が咎めます 呑みこんでもきえてゆく はみだした羽がもがいてみせて いるので びいどろの月は次第に次第に凍てつき 薄く、ぱりんと破裂して 3./仮眠 ひかりのなかに片腕をあげる 連続してゆく 夢はゆめのまに かたちをかえてゆきますように きみの傷があしたにはあどけなくなりますように わたしはいきることをあきらめませんように 二人で棘をかさねていのりあう 誓います、真っ暗のなか目を瞑り かたむいて うつむいて 口元に愉しさをこぼした 神々、それはあの日の少年の眼差し どこかへ行こう ドアをおしあけるんだ 白い手を繋いだ そして腕をはなすんだ きみは、真っ白を踏む最初の者 痛みにささやかれ、わらいながら うるわしい薔薇 怜悧な、棘の瞳 すべてをわたしに嫁がせようとこころみはじめる、弱気は、やはりやめさせてやらないと、と 4./ウィンドウ 背中をからからとさせ歩くわたしはついバランス感覚をなくしたばかり 信号のライトが正しく切り変わるように(どうぞそのままつづけて)いつかは離れるつもりなのです 名前の無いゆうがたにしては 仕様もない雨水が、ガラスをうち、ふりそそぎだしたではありませんか さらさらと耀くぬばたまの街がみえています 水掻きのない一人のわたしくらいは溺れさすつもりなのでしょうか 騒がしさ、爽やかさ 雨、雨 眉根の皺はいま、やわらかく 靴のコーティングがくたびれぬようそっとおぼえておきました ふいに一本でただよう櫂を見る心地です 耳の後ろの髪がさかだつまえに もうすぐ帰りますと 誰かに電話したい気持ちをおさえていました いっしょの数を いつもの数に 悩ましく、すりかえて そこで黙ってしまう プロットを違えて漸く辿り着いた けれども 友達は、きみをしあわせにしていますか なにもない日にわたしは溺れている
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