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ひとり、 沈みこんでいく夜に 鈴虫も、コオロギも 相変わらず 静かな声で鳴いているね まるで世界中が 眠りについているかのような そんな ささやかでやさしい声だから 目を閉じてしまえばすべて 忘れてしまえるんじゃないかって そんな気さえしてくるんだ ねぇ、 ゆっくりと冷えていく夏に 虫たちが、 取り残されないように、と 消えていくための歌を絶えず 唄い続けていくことは もしかしたら人が、 わたしが、 生きていくことと 同じことなのかもしれないね 生まれてから死んでいくまで 終わらない一日の中で 足踏みしたり、唄ってみたり、さ ほんとうは、 夜は、新しい一日までの道標だから 終わりではないんだ 朝から始まった一日は また新しい朝へと向かう夜へと繋がっているから だから、終わらないんだね 来年の夏に鳴いているのは 今鳴いている虫ではないんだってこと あたりまえの中で混ざり合って 押し潰して なにもかも 見えていなかったんだ 更けていく夜に 沈み込んでいく先にある なにもないところまでの 絵空事、のような 身勝手な願いごと、 くりかえすのは もう、 おしまいにしなくちゃいけないね いつか放つ夜を 待ち続けることでしか 呼吸が出来ない 不器用な世界のはしっこで 鈴虫も、コオロギも 鳴いているんだね わたしが、 この夜に沈み込むまで ずっと ささやかな声で鳴いてくれて いるんだね
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