メッセージの編集
お名前
タイトル
ホームページ
本文
雨の降りよう夏のゆうべには ようよう息をしております ゆきかう人みなゆらゆらと のっぺらぼう 遠く鳴るカミナリに 一斉に振り返る 濡れた電飾の花吹雪を抜けると ビルの谷間の理髪店から 色の剥げかけた煙草屋の看板まで みながみな しょんぼりと佇みながら 晩年という踏切に老いた掌を預けて 池の波紋をじいと見やる 髪の白いお嬢さんが 束の間の数えきれない雨音に耳を澄ませております 一羽浮いては一羽潜り やがては 独りでは傘も開けんようになってしまわれて 池の畔で ゆれてないてるのは笹の青 冷たい水の潔さ 欲しがってばかりいた あたしの指の恥ずかしさに俯いて いつまでもずっとずっと一緒 ひよこ色の長靴のままで シャボンをそっと吹いてね もう帰れないと知ってるからこそ ふるさとの月は大きく見えるのかしら 拭いてばかりおります 最後まで貰われなかった仔犬の時のように なんだかすこしちくちくする です 拝んで暮れる雨に濡れた縁側に 初めての襟を開くように 静かに鳥が舞い降りて 雨がやみましたな 綺麗な声ですね 若葉から洩れる ほとけのひかり いとまを告げて水鳥は眠りました 真白い毬のように
設定パスワード
画像ファイル
編集のみ可能です
[
掲示板ナビ
]
☆無料で作成☆
[
HP
|
ブログ
|
掲示板
]
[
簡単着せ替えHP
]