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さみしい窓から月を計った 遠く原子力発電所の灯りが滲んで やさしい眼の馬は走り出す 誰だって知っているはずの、月光 その淡さに嘆く夜ばかりではなかった あの花の名もその人の名も、おぼろ 不在は美化され易いのだろうね やさしい手、長い髪、そのときボクは僅かに口を開けて 乳房を探したかもしれない 懸命に取り澄ました顔をして 二人は最初で最後の食卓で 紙ナフキンを賛美歌の切れ端のように握っていました 「よい人にもらわれていったと聞いたんよ。だから一度も捜さなかったの」 「あんたを、あんたをずいぶん憎んだよ」 「それがええ、それでええ。へえでも結婚すると聞いて…堪忍な」 寝息を護りたい 溢れた不安を責めた微熱の夜には 曲がった指で円周を辿った それから 口数少なく御礼を言って その人は深々と御辞儀をした それから 何時何分何秒? レストランで、夜に、ボクは、花の薫りがして、手紙を読んで、月が綺麗で何が悪い! 黒服のウェイターが驚いたように制止する声を背中に ボクは夜の中へ走り出す なにか一言、せめて一言 ボクは駅に向けて走る 「お見送りの方は黄色い線の内側までお下がりください」 発車のベルが鳴り響く 口紅が笑う、紳士が帽子を脱ぐ、手を振る子供達、滑るように列車は みんな家に帰る ボクは誰にも聞こえないように 初めて、呼んだ
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