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去年逝った娘の ヴァイオリンを抱えて しょっぱい風は まだ見たことない津軽へ 狭い波打ち際に 足跡はヒトツもなく 勿忘草添えて もう津軽は桐の中 整った襟元 林檎色の甘い溜息 その欠片だけが また津軽から薫る 艶やかな櫛が 円い音色で鳴いて 濡れた髪のまま 津軽と呟いた ひらひらと散る楽譜が 海を渡る鳥のように (離れてゆくんじゃない) 「も少しかしら?」 「もうすぐだよ」 はばたいてゆく白鳩 一羽ずつ貴婦人みたいに 消えてゆく黒縁の津軽 赤い靴を雛のよに揃えて 海に流して歌う 黙祷という無力を知りながら ひっそりと繰り返す約束 「待ってる」 「うん」 わすれないわすれないわすれない まだ見たことない津軽
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