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ごらん こんこんこん と降る雪 沈黙の音を聴く揃いの耳 くるぶしまで埋まりながら あの樹まで歩いた いっぽにほ ざくざくり 誰が春になると咲くと思うだろうね、櫻 風つめたく悩ましく 僕等の首を撫でる 振り返るとすぐに見えなくなる足跡が 暗示するのは 白い黄昏のカンパネルラ 鋼鉄の月が霞みながら浮かぶ駅舎 この世のものとは思えぬ声でアナウンスが流れる (猫撫で声は好きじゃない) 僕は、栞を 君は、櫛を 黙ったまま泣いていた 錆びた鉄橋を渡って最終列車が もうすぐに (朝とは違う顔で帰る) (冬の葡萄がいつも酸っぱいとは限らない) (哺乳類は総てハダカになってまるくなる) (鼻と鼻をくっつけあう) (蜜のような水が巡る音がするね) 鉛色の空に輪郭はないけど清潔過ぎて 私は少し怖くなったので彼のコートに両の掌を入れました 僕は不安を紛らわそうと踵を幾度も鳴らした なんにもない河川敷に 轟、 と風が吹いて 君の乗る汽車は 私は帽子を目深に被りました 僕は煙草に火を点けた 黙ったまま笑って 黙ったまま頷いて 君が去った東は見ない 君がやって来た東を 雪は ますます 風は 静かに 僕は 動くことも出来ずに
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