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枇杷の実のしたたる夕べに、いっこうに暮れない。暮れない、あたしの家の庭があり。横転した三輪車の車輪の痕にダリアの咲く。ほころびはじめる花びらは。右に真上に斜め後ろに北北東に裂かれる。いっさい揺れない茎/茎の下、蟻がえいえんの、を歩いている。土の粒の合間を縫い。蟻いわく、ずっと明けないでいるから、あたしたちは少し近いのだと少し、遠いのだと。そしてようやく鍋の底に箸がつく。湯気のなかであたしの舌はずいぶん冷めきっていた。葱を噛むと、と、と唾液が垂れる。沸とうして吹きこぼれるのは海。くつくつくつくつくつくつくつと音の鳴る。 やっぱり 空は透明でくらがりへと駆けているのだろう。庭は((一体どうして、明るいままなのか。熱をもつ、に集積する生きものはとてもいとおしい匂いがする。窓枠の溝に美しい模様の蛾の死骸が。手に取り、和紙のような翅を粉々にする。砕けたおうど色はもはや砂で、つむじ風にのって行方は知れない。いつの間にか、けもの、飴玉のような瞳。が庭中に詰まっている。君たちに景色があるのなら、あたしは君たちをけいべつして。そうして初めて会話をしよう。ふくよかな毛並みから蒸発していく。静脈を追うための、足首を貸すよ。ずっと返さなくても、いい。 やっぱり うすく張られた水溜まりに映るのは。庭の椿の、母にも似たわらい顔。冷たいべに色が香りたち、埋め、あたしは埋められていく。わらい顔が水越しにゆがむ。涙管を通ってこぼれるのは濁った。髄液のぬるみ。ちっそくする寸前で父から、父の爛れた手によって掬いあげられる。それにひっし、としがみつく。しかしサイレンの音に振り向いて、放し。放されて簡単に沈んでいく体。多分、あたしたち、あと少し近いね、あと少し。遠いよ。鎖骨に気泡をだいて、泳いで。もっと濃いぬかるみを、※なべのそこにちいさいはだいろのせいぶつがちんでんすることがございますが、えいようせいぶんがかたまったものですそのままおめしあがりください。 あたしには水溶性がひつようだから、 やっぱり 手紙をしたためている。みず色の便箋にみず色のインクを。くらくないから、電球はいりません。やさしく首をふる仕草で。はじまりのことばをなくしたら、いちめんの原っぱがみえる。回遊する魚のように、星の舞う。文字の揺らぎは少しだけ、緊張しているからで、まだ。堤防はあした決壊するだろう、そんなことしか書けない手紙を何万通もしたためている、夜に。朝に昼に。少年たちがあらゆる先端から滑落し冷蔵庫が捨てられ採血がはじまり呼び鈴を押す人差し指が震えて歓声が響いて踏切がいつまでもひらかない、空に。色とりどり!の風船がいっせいに散ってゆく。 やっぱり 皮膚よりうすい温度の呼吸を続けていくから、唯一の海だった。だからあたしたちは常に四季を忘れていなければならなかった。))翻訳してくださいという文書が眼前に積み重ねられ、ピンセットで異物を摘みあげるように処理をしていく。じんそく、を引っ掻いて解読をざせつする指先からまた、切りひらいて/かれて。庭のそとは霧がたちこめている。葬列の気配の、やまない。再び箸をもち鍋をつつこうと覗きこむと少女が。少女はゆがんで((わらって底のほうから、いいえそちらではない。をそっと、差しだして、
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