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わたしは橋を渡ったつもりできみにさわる ほんとうは、きみはあちら側にいるのに、触れている、見えるひかりとなって、こちらまで、伸びている 足下でさわさわと擽る、枯れすぎてしまった雑草 さりさり鳴る砂の粒 わたしはわたしの背面に並ぶ花たちを 躾ることで咲かせていった、ことを思いだしていた きみはわたしを見ている、 姿形はわからないというのに、しっかりと 視線を此処へと寄せている 湖の上にも立てるような垂直の姿勢で、そのことを、わたしは知らずに、知っている 波打ちぎわに捨てられた死体のように、 重なり合って、 ゆっくりときみにわたしの熱を移してゆきたい そうして、すべてをあなたに移していって、消えていくものを、 わたしは積み重なった死体のいちばん下から見ている 守っている (声をだすことを忘れて) 乗りすてておいた自転車の車輪はもう何年もせいししていたように、軋んだ音をだす 触ったさきから、ぐずぐずと崩れてゆきそうな、色をしていた 簡素な骨組みのむこうの、だれかの棄てられてしまった瞳と、目が合う けれども、わたしはそれを拾わずに、なかったことにしようとする足で地面を蹴って、瞳に砂をかけて、瞼が閉じるのを、待つ (発熱、それから蒸発) そうして、誰の足跡もない方へ、光が伸びるのを、待っている 背中を、きみの方に預けている わたしが見ていないものを、きみはとおくで見ている、つもりでいる きみの影ばかりを集めて、束にしてから、川へ流す 背中の視線の温さに、かざす花が思い浮かべられず 運ばれることに無関心な影たちは、なんにも含まずに 触れたことのない、つめたい最奥で、絶える 呼吸が結ばれようとしている、橋の中間で お互いに寄り合えずに 指先に熱を持つ
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