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袋の中には寡黙な柿と果物ナイフ 食欲の哀しみが立ち食い蕎麦を囲むホーム も少しで日付が変わる 大宮をこえる最終電車が秋の灯を点して滑り込む 雨の音 重い荷物と喫煙所 喝采のように散る枯葉 座り込んだ若い女は 手首をまわしながら先にゆけ と くだをまく ニポンジンだいすき ニポンジンみなつめたいからだいすき 駅ビルのランプが明滅を三回 くりかえしてから消える一日が終わる寸前の合図 絡まった安いヘッドフォンのコード メイド・イン・チャイナの夜鷹が 痙攣しながら静やかに唄う カミサマはいつもルスだからね クライトコいこうよサンマンエンで 籠にいっぱいの洗濯物 湯気の向こうにはシアワセがあった 表札には犬の名前もあった 大宮をこえる最終電車がホームから 女たちをまた今日から遠ざける アタシおいてってくらさい よっぱらいはきっと まだ ホームでくだをまいている やっちまえやっちまえ 飲んで効くと騙せばいいよ それとも、もう捕まった頃だろうか 空き家の庭には柚子がたわわに まだ乳房の堅かった妹はアタシよりずっと頭が良かったんだ なのに オトコたちは足りない指で札束を数えた ひづけがかわってしまう もう少しで せめて 乗換えの駅につくあいだに今日のゆめを どうぞ もう貯めなくてもいいよ もうビール・ケースの陰でぶたれなくていいの 約束を待っている顔で席に座る 柿ひとつの淋しさを載せて アタシは少し身構えながら眼を閉じた 満開の花が揺れている ねえ、あれ なんて花だっけ
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