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(ねぇ わたしたち さらわれる ように いきていこうよ!) 手袋につつまれた指のはしっこをきゅっとしたまま、わたしは空に垂直に立っていました 瞳の一番右側でいっとう光る星をおいかけていたら、とうとうこんなところにきてしまいました 本殿にむかう鳥居に続く提灯のように列車の窓が均等に淡く並んでいる 睫がほどかれて夜の幕が開こうとし それに反対向きに流れる星々 なにもない場所だから わたしと君が交互に表と裏になりながら、青い海をつくってゆく (だめなんだ と君が言うけれど あたしたち繋がっているじゃない そうしたらやっぱり いくしかないんじゃ、ないの) 結う紐がないなら 鳴き声のする方に 背中にひかりを隠して 君の指紋 わたしの指紋 うずまいていく あたらしいぬくもりに 声を与えて ((黒くうねる純粋な夕闇じゃ、紐には ならない)) わたしが孕んだ どうしようもない重身を 夜が素早くつきぬけて ひろげられた皮膚のそとがわに 落ちる、足のうらがわがこちらをむいて、いた 重なってしまうんじゃ、ないの そんな不安は君の指から充分に伝わって わたしの胸のあたりのくぼみにみずうみをつくっていきます 裏、表、うら、おもて 見て、 でも月はせなかを隠して 君だけを照らしている 枯れた草をふみならしてわたしは あなただけの傷をつくる 皮膚の隅々がぬれて、 やがて裏も表もひとつになって しゅくふくを、 (それは) 赤い (正解/誤解) 列車のいきおいは増していき夜の奥へ逃げていった 窓と窓は境目を失い、ひかりの帯になる あの中で今夜、うまれたいきものたちは くらやみの中から いくつもの瞳をにこちらに向けて わたしは、足元にあるものをさがすふりしかできなくて むすんだものをただ いとおしく のみ干していく (ねぇ わたしたち のぼるようにいきようよ!)
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