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夢がまた落ちてゆきました いつか僕たちはまぼろしの形をした記憶のなかに沈みます 君には誰も読んだことのない本を読んでほしい うまれる星の話 海に咲いた永遠の話を 世界中の誰も言葉なんて知らない 目を開けば僕たちは明け方に消えた波みたいに たちまち粉になって消えてしまいます 光の世界のなかですべてのものと融け合いながら 千回目の死を見つめ終わる頃に 泳ぐことをやめた真夜中の魚は霧のように薄く 広がってゆく 月も太陽も 人間も永遠も 何もかも 沈んでばかりいますね 風がやみ 夏に雪が降りだして 君が透明になったその時が 旅の終わりなのかもしれません * 「(……)ね、」 「何がそんなに、悲しいの、」 「夢を、視ること。」 * 誰もいないホーム、電車を待たせながら君を抱きしめる。 星の見えなかった夜の終わりに、君は何を視ていたのだろう。 何もかも全てが眠りについた世界で、君の体温を、記憶する。 言葉は永遠のまえに消滅して、 僕は空に降る光を、視ていた。 5/13
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