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その日の夕空に 焦がれたものが冷たくなって ふみしめた柔らかな土が、 ふたつの心音をくるむ まっさらな晴れを 花のいばらが迎えてゆき 紅い輪をつくる。輪になって、運ばれるように、みつめ合う わたしたちは流れるものをとどめる術をもたず ただ、くちびるを同じ速度で動かして 確かめ合う 少しだけずらして、靴を脱いで、 変色した本のページをめくる (短針も、長針も、 進まないことを、いいことに) 隣の部屋からは先生の声がたえず 夢にあえると思ったので 目を瞑り 床の冷えた感触に耐える (先生って、だれだろう?) 不都合のなさすぎる声だから どこにも行きようがなく 反転しては瞼に落ちて消える 寄りあつめられて みんな孤児のひとみをもったみたいに ぎこちなく 机をかこみながら 自分の名前をいっしょうけんめい思いだそうとしている 四角いちいさな紙に 名前と 誕生日を記し これだけじゃないはずだから、 考えなおす、 をくりかえす 汚れた灰色の絨毯のうえ 粉々になったひかりが 窓際のあなただけ包み 触れたら夢になってしまうから、 見ないふりをする 埃っぽくなった指先を困りながらも、 あなたを考えている 単語ひとつひとつが 繋がっている気がして、 とうとう時間が気になって 古くならないことを祈り 文字の丸みをなぞって、惹かれあうように、白紙の部分に見えない輪を書く 文字がすべりおちて、 すべてがすべりおちて ちいさな足にざざざと当たる 水たまりになった文字は深い緑色を、していた フロートティーを口に運びながら 甘さについて考えて、 それがどこにもないことに、気づこうとしている 目の前には 伝わりあった瞳が並んでいて 人生って、とか言うから わたし自身が甘くなってしまう まぜられたフロートティーがミルク色に近づく 溶け出すなんて、ずるいって聴こえる だって、とかが得意だから さっき食べた文字と一緒に 嘔吐した もう空は、雨を滲ませて 呼応する夜のしじまが わたしたちを流す
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