メッセージの編集
お名前
タイトル
ホームページ
本文
火に話しかけて (夜の原のうつせみ) 応えはなく 空は硬く鳴る 花が降りてきては飛び去る 鳥は川を下る 無言がかがやき 鳥のあとを追う 花の楽器を ひとつひとつわたし でも やり方はないのです 鳴るときがきたら 鳴るのです 楽器から楽器が生まれ 原へ原へ打ち寄せる 火の粉 火の子 うたいだす 火の粉 火の子 消えてゆく 夕べの音を さがしもとめた 遠のくものを ひとつの指で描きながら 鳥の会話 大陸の端から端 失くしたものは すぐそばに響く たどりつけぬまま 響いている 眠り 覚め 血を得て眠り 失い 滲み 滲みつづける 左目の音 灰と白 黒と水と雨 しりぞかぬもの ためらわぬもの 明かりの消えたかたちをつかみ 霧の指がまたたいている 声は もういいのです ほんとうに もういいのです 散らされた光が ふたたびあつまりはじまりとなり 空を貫く木の歴となり 空に音をこぼしている 午後の鳥 夕べの鳥 夜の鳥のなかをはばたき なおたどりつく水滴が 内戦と祭へ降りそそぐ 熱さをすぎ 痛みをすぎ 今は冷めたひとつの棘が 花の楽器に埋もれている 他の鉱脈へと ふるえつづける 青 ちぎれかけた鐘の音 壁の痕から湧く光 あふれてもあふれても 影を消せずに 曇があり 流れがある 倒れたままの標の空 肺に満ちるひとりの水から 髪と波紋へ至る道のり 花はらう声 鳥は動かない 来る光のなかの さらに小さな光を見つめる 水が宙の側道をゆき すべてをまだらに降らせている 影は透り 影は透り 手のひらに手のひらに手のひらに鳴る
設定パスワード
画像ファイル
編集する
削除する
[
掲示板ナビ
]
☆無料で作成☆
[
HP
|
ブログ
|
掲示板
]
[
簡単着せ替えHP
]