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(太陽が離れてゆきます。) (太陽が離れれば離れるほど人々は少女を忘れるのです。) (少女は夢を視ていました。) (世界に生きる誰もが記憶をこの街の雪にして降らせたあとでも、まだそこで――) * 「少年を失いましたと少女は呟きました。彼はもう見えないところに行ってしまいましたね。名前くらいはせめて誰かに預ければ良かったのに。……」 「……別れは告げません。光を拒絶する水の精たちは理想を語る人間に、一番欲しいものは手に入らないと、いつもの科白をまた繰り返していました。」 ………… ――僕は夏に死んだ少年を思い出した。彼が眠る海で誰かが朝に歩きはじめて、僕は約束された時間に目を醒まし、追いかけてからまた眠りについた。 天使の翼を砂に埋めて、僕は食いつくされた春を思う。ああ、少女が異国の歌を指揮していた。それは夏の日の夢―― ――吊された少女の目は深い黒、髪は闇のよう。夢は群れた獣に食われて地面の上。…… 海に逃げだした時も僕は地獄で交わされた永遠を忘れた事はなかった。しかし少女は思い出すことが出来ず、ただ遠くに見える煙を頼りに少年を探した。 一切が七月の夜明けを待っていると知っていながら―― * (問うのはもう終わりですか? それは何度目?…… 世界はすでに離れました。) (光が僕を通過して死が廻り始めます。名前もない人形を連れて遠くからやってくる。) (雪に手を伸ばした沈んでゆく魚。彼は遠くへ離れなければ血も流せません。夢見る孤児と川に入る。泣けるのであれば泣けばいいのに……。夜明けのなかの果てのない地平の彼方に空から落ちてくる、光たちと――) * 唇を、凍りつかせないで、 小さな影が通り過ぎ 僕はいま夢を見ている 空の星たちは眠りにつき 少女は僕に生も死もなにもかも一切を忘れさせてくれる 月は静かに風を呼び 地獄への道を凍らせた それは赦されると云うこと 吹く風が泣いていた あれは魚の群れの最後尾 夢まぼろしに消える 朝 ――夜明けに離れていく光が夢の終わりを告げて沈む魚たちを橋のうえから少女が見下ろしています。なにもかもが過ぎた日に消え去った風の泣き声を僕は聞いていました―― 赦しは赦されるものに渡し 長い髪の少女のくちびるは 冬の風に散っていく 星たちは何も語らずに ただ果てはなく 野に雪が降りはじめる 生まれ死んでいく魚は 冬の風に 過ぎた日に流される (僕が聴きたいのは君の声、) それは呼応した夜のこと 静かに流れる川のなかで僕は 君を見つけるでしょう ※二年前くらいのを推敲。 絵はスーパーモゲモリアン氏
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